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1.192026
【海外研究動向】看護師の心理的資本(PsyCap)が患者ケアの品質向上と有害事象の抑制に寄与(International Journal of Mental Health Nursing誌 記事より)

International Journal of Mental Health Nursing誌 2026年2月号に発表された、医療現場におけるPsyCapが「患者の安全性」に直結することを示した最新の調査結果をご紹介します。看護師の心理的資本(PsyCap)が高いほど、患者ケアの品質に対する認識が向上し、有害事象の発生が減少することが、サウジアラビア・カッシーム地域のブライダ中央病院で実施された横断研究で明らかになりました。
1. 研究の背景と目的
2026年1月、International Journal of Mental Health Nursing 誌に掲載された本研究は、サウジアラビア・カッシーム地域のブライダ中央病院に勤務する169人の看護師を対象に実施されました。
看護師が持つ「心理的資本(希望・自己効力感・レジリエンス・楽観性)」というポジティブな心理的リソースが、実際の患者ケアの質、および医療事故(有害事象)の発生率にどのような影響を与えるかを明らかにすることが目的です。
2. 調査結果のハイライト
本研究では、統計学的な解析を通じて、PsyCapと医療現場の安全性の間に強い相関があることが確認されました。
① 有害事象(医療事故)の有意な減少
PsyCapが高い看護師ほど、以下の有害事象の発生率が低いことが示されました(ピアソン相関分析)。
- 薬物療法過誤(投薬ミス): $r = -0.405, p < 0.001$
- 褥瘡(床ずれ)の発生: $r = -0.350, p < 0.001$
② ケア品質の向上
PsyCapはケア品質の各指標と正の相関を示しました。心理的資本が充実している看護師は、患者に対してより一貫性のある、質の高い看護を提供できていると認識していることが明らかになりました。
③ リスク低減のオッズ比
バイナリロジスティック回帰分析により、PsyCapの向上が実質的なリスク回避につながることが数値化されました。
- 投薬ミスリスク: 約11.6%低下(オッズ比 0.884)
- 褥瘡発生リスク: 約7.3%低下(オッズ比 0.927)
3. 日本心理的資本協会としての考察と提言
本研究は、医療現場における「ヒューマンエラーの防止」が、個人の注意喚起や技術訓練だけでなく、「心理的資源の拡充」によって達成される可能性を強く示唆しています。
組織への示唆
- レジリエンス訓練の重要性: 看護師のメンタルヘルスを強化し、職場のストレス耐性を高めることは、患者の安全を守るための「組織戦略」です。
- 心理的資本の測定と介入: 現場スタッフのPsyCap(PCQ-12等による測定)を可視化し、自己効力感を高めるワークショップ等の標的介入を行うことが推奨されます。
結論
看護師の心理的資本(PsyCap)を高めることは、燃え尽き症候群の防止といった「守り」の効果だけでなく、医療品質の向上と事故の減少という「攻め」の効果を併せ持っています。
当協会では、こうしたエビデンスに基づき、日本の医療・介護現場における心理的資本の導入と、それによる「人と組織の活性化」を引き続き支援してまいります。











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